『さみしい夜にはペンを持て』を読んだ感想

読んだ本紹介

あなたにおすすめ

・文章を書くことが苦手な方

・日記を書いている、書きたいけど続かない方

・周りに振り回され、自分の気持ちがおろそかになってしまっている方

本の紹介

『さみしい夜にはペンを持て』

古賀史健 絵:ならの

289ページ

本体1,500円(税別)

あらすじ

中学に通うタコのタコジローくんがある日、公園でヤドカリのおじさんと出会う。

日記を通じてタコジローくんは自分のこと、周りの人々のことをより考え、向き合うようになる。

ハイライト

「そういうとき、考える習慣が習慣を持たなかったら、どうなると思う?」

「……わかんない」

「だれかが用意してくれた『わかりやすい答え』に飛びつくんだよ」

「わかりやすい答え?」

「そう。いかにも自分の悩みを解決してくれそうな、都合のいい答えさ」

本文P130

ヤドカリのおじさんに考えろと言われてタコジローくんは考えるのは面倒くさい!わかりやすいほうがいい!と考えます。

考えるのってエネルギー使いますよね。

私は考えることは好きなのですが、やはりああでもないこうでもないと色々考えを巡らせていると、

体はあまり動かしていないのにちゃんとおなかはすくし、疲れてぐっすり眠れます。

自分の頭で考えることを放棄して、目の前の答え(特に簡単に感じる)に飛びつくことは、

自分で決めたようでだれかに決められていることなのかもしれません。

それが信頼できる人ならまだしもそれを利用する悪い人がいるのも事実です。

「コスパがいい?」

「ことばにして説明する手間コストを省いているのさ。それに、自分の形勢が不利になった時だって、大声で怒鳴ってしまえばごまかしが効くしね」

本文P88

『言葉の暴力』についてタコジローくんとヤドカリのおじさんが語り合う一節です。

だれかに話をするときには、自分の気持ちを考える、ていねいに説明する、わかってもらえるよう言葉を選ぶ……もちろん相手の言葉を聞くときも同じ。

たしかに面倒くさい。しかも相手に正しく伝わるとはかぎらない。

いざ言葉にしてみたら、言いたいことはそうじゃないんだよ!なんてことも多い。

ヤドカリのおじさんは、自分の言葉に消しゴムをかけながら手間コスパをかけて自分をことばにできるようにする必要があるとタコジローくんに伝えます。

この本を読み終わって

ことばには力がある。

よく耳にする言葉ですが、この物語の中で分かりやすく説明されています。

私も昔、日記をつけていたことがありました。

今思うと作中で出てくる「早送りの文章」で「悩みごと」を書いていました。

とても読み返す気にならず、そのまま処分してしまったっけ。

ネガティブ感情とうまく距離をとるためには過去形にするんだよ、と

タコジローくんと私にヤドカリのおじさんは教えてくれました。

私もブログをはじめて、自分がいちばん続きを楽しみにしている読者になれるような文章を書きたいです。

書くことが止まってしまったあなたのために、この本にはヤドカリのおじさんからの手紙があります。

ぜひ封を開けてみてください。

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