こんにちは。甘味です。
本日紹介するこの本は、精神科医の著者が14歳の読者に向けて
依存症についてやさしく教えてくれる一冊です。
特に人を頼ることの大切さについては、依存症の方だけでなく、
社会で生きていく皆さんに必要なことだと思います。
依存症を恐ろしいものと見なかったことにするのではなく、
正しい知識を持つことが大事な一歩だと感じました。
あなたにおすすめ
・依存症かもしれないと不安を抱える方
・大切な人が依存症かもしれないとお困りの方
・依存症について正しい知識を持ちたい方
本の紹介
『世界一やさしい依存症入門 やめられないは、誰かのせい?』
松本俊彦 著
234ページ
価格1,420円(税抜)
あらすじ
「スマホもゲームもやめられない」
「市販薬を飲む量が増えてきた」
「本当はリスカをやめたい」…
誰もがなりうる「依存症」について、
最前線で治療にあたる精神科医がやさしくひも解く。
ハイライト
人間は、追いつめられると「ここで気を抜いたら、二度とリカバリーできないんじゃないか」「止まった瞬間、落ちこぼれてしまうんじゃないか」などと不安になることがあるものです。泳ぐのをやめたら死んでしまうサメじゃあるまいし、そんなことはありません。しっかり休めばまた働けるし、取り戻せる。あるいは「若いときに怠けていると、これからの人生悲惨だぞ」みたいな脅し文句が頭の片隅に刷り込まれている人もいるかもしれません。でも、それって本当でしょうか?
本文より引用
身に覚えがある……!とグサッと刺さった一節です。
そんな読者の方も多いのではないでしょうか?
「元気があれば何でもできる!」
皆さん耳にしたことがある故アントニオ猪木さんの名言ですが、
大人になってから元気の大切さに気付かされます。
元気がなくなってしまったらもう戻ってこないの?
そんなことはありません。
もう元気になんてなれないと思っても、ゆっくり、時間をかければ元気は少しずつ戻ってきます。
休んだのに元気が戻ってこないのは、まだ休息が足りてないからです。
元気が戻ってくると、不思議と体はちゃんと動くようになるんですね。
今、みなさんが何か問題を抱えていたとします。インターネットで検索しても、本や雑誌を読みあさっても、どうしても解決できません。それでも一人でどうにかするのが自立でしょうか?僕は、それは単なる意地っ張りだと思います。一人でどうにかできないときは、人に頼ればいいのです。
(中略)
そうやって人にいっぱい頼ったうえで解決策を導き出せることが、本当の自立だと思います。
本文より引用
「依存」←→「自立」と考える人も多いと思います。
私自身、人に相談するより、いろいろ自分で調べることが好きなタイプです。
好きで調べているうちは良いですが、それが苦しかったり、解決できないことだったら?
誰かに頼ることは勇気のいることかもしれません。
でも勇気を出して周りに声をかけてみると、意外と人は優しいものです。
今、仕事で先輩と後輩どちらもいる立場になって感じることですが、
頼られるのは嫌なことではありませんし、
反対に上司も頼られて嫌な気はしないんだな~と思います。
むしろひとりで抱えすぎてもうどうしようもなくなった時の方が大変です。
もちろん自分で何も考えずに人に聞いてばかりいるのでは自立できているとは言えませんが、
自分で考えた上で、これは自分の手に余るぞ……と不安に思うのならぜひ人を頼ってみてください。
上司に教わった相談するときのコツは、
自分の意見を持ったうえで判断を仰ぐことです。
「私は~~だと思いますが、確認してもよいでしょうか?」
間違えることは恥ずかしいことではありません。
間違っていれば訂正し、覚えれば良いのですから。
また、仕事において責任を一人で抱えず共有することはリスクを回避するのに有効です。
一人で歯を食いしばってがんばることが自立ではないのです。誰にも頼らず生きていける人などいません。頼れる人をどんどん増やして、その助けを借りながら生きていくことが自立です。
本文より引用
私も社会人になってから人を頼ることができるようになりました。
勇気を出して、と言いましたが、正直慣れることが一番の近道だと思います。
友人、家族、先生などの身近な大人たち。
誰でもよいので簡単なことから人を頼る練習をしてみてください。
いつか大きな困難が立ちはだかった時、自分を守るスキルになるはずです。
ちなみに話を聞いてくれない人がいたら、その人が話を聞いてくれないだけ。
話を聞いてくれる人は他にいます。
本書では信頼できる大人の「見分け方」も紹介されています。
普段から偉そうな人
上から目線で話す人
自分の武勇伝を語りたがる人
そんな話を聞いてくれない人からは回れ右をしましょう。
この本を読み終わって
本書では、依存症になってしまった人たちの実例をもとに依存症について読み解いていきます。
「依存症」になる人は心が弱い人だ。
そんなイメージが世の中にはあるのではないでしょうか。
私がこの本を読み終わって感じたのは、
「依存症」になってしまった人はむしろ自分に厳しかったり、
周りの期待に応えようとする頑張り屋さんが多いのではないかと感じました。
自分の心と体がアンバランスになった時に、自分を守るために何かに依存する。
著者が「自分探し」という言葉はあまり健康的でないんじゃないかと言っていますが、
誰もが羨む自分だったり、理想を叶えられた自分だけではなく、
今の平凡な日々を「まあ、そこそこ幸せだな」と感じられればそれはもう十分
自分を褒めてあげてよいのではないでしょうか?
まだ紹介しきれないハイライトがたくさんありますが、あまり語りすぎるとネタバレになってしましますので、興味を持っていただいた方はぜひこの本をお手に取ってみてください。
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