『先生と僕』を読んだ感想

読んだ本紹介

こんにちは。甘味です。

この本に出合ったのは、まさにジャケ買いでした。

ミステリーは好きだけど、実は残酷な話やイヤミスが苦手なんです……

まさにそんな需要にぴったりの一冊を見つけました。

あなたにおすすめ

・殺人など怖い話が苦手な方

・ホームズとワトソンのようなバディ物が好きな方

・読みやすいミステリー作品にもっと出会いたい方

本の紹介

『先生と僕』

坂木司 著

292ページ

価格571円(税抜)

あらすじ

ひょんなことから大学の推理小説研究会に入った怖がりな僕は、

とある少年から家庭教師の依頼を受ける。

彼は大のミステリー好き。

そして怖がりな僕に古今東西のミステリー作品を紹介してくれる先生である。

先生の頭脳と僕の特技を使って身の回りで起こる事件をふたりで解決していく

連作短編集。

ハイライト

今回は、個人的にお気に入りの2話をご紹介します。

『1話 先生と僕』

このお話は、こわがりで見たものを瞬時に記憶する特技を持つ「僕」二葉と、

頭脳明晰でミステリー好きな中学生、「先生」隼人くんの出会いが書かれています。

それぞれの強みが発揮され、協力して女性誌に貼られた付箋の謎を解き明かします。

「ぼくだったら、もっとうまくやるのに」

「え?」

 一瞬、耳を疑った。けれど隼人くんは、ごく真面目な表情で僕を見ている。

「犯罪は、エレガントであるべきだと思うんだけど。二葉さんはどう思う?」

本文より引用

万引きの現行犯を止めた隼人を二葉はまるで正義にあふれた少年探偵ではないか!

と感心する僕には先生は言い放ちます。

その他にも先生が現実の犯罪に対して「けちくさくて、くだらない」、「ロマンがない」と評価していますが、ミステリー好きとしては納得してしまいます。

『四話 額縁の裏』

大学生活初めての夏休み。

二葉はギャラリーの勧誘を受けます。

都会での生活も慣れ始め、お人好しの僕にも防犯の意識がついてきました。

いろんな防犯対策を教えてくれたのは先生。

考える時間をくれない相手は疑ってかかれ。

本文より引用

おかげでギャラリーのキャッチをうまく断ることができました。

よく無料だから、話聞くだけだから。

話だけ聞いたら断ればいい。

そんなことを考える人も多いと思います。

でも相手もそんなことはお見通しです。

正常な判断ができずあれよあれよというままに口車に乗せられてしまう…

先生が教えてくれるように、考える時間をくれない相手は疑ってかかれ。

一呼吸置くことが大事です。

特にこの四話は騙されないための先生の教えが詰まっています。

フリーのメールアドレスを持つ。

いきなり住所や連絡先を聞いてくる人には気を付ける。

実践できる内容が多いので、防犯意識を持つきっかけになるかと思います。

この本を読み終わって

この本は坂木司先生にはまったきっかけの一冊です。

ハイライトを書いていて感じたことですが、

前回『ガソリン生活』を紹介した時もそうだったのですが、

もしかしたら賢い少年というキャラクターが好きなのかも!という新しい発見。

本を読むだけでなく、発信するために考えながら読む楽しさを改めて知りました。

続編『僕と先生』も楽しく読める一冊ですのでぜひ一度読んでみてください。

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